Sangha‐サンガ

日常に役立つ仏教を考える僧侶のブログ

戌年こそ高野山にいこう!高野山と犬の関係とは

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高野山では、しめ縄の代わりに宝来と呼ばれる縁起の良い切り絵を用います。職人の手によって丁寧に彫られたこの縁起物は、主に年末に出荷され、山内の寺家に飾られます。今年の宝来には、干支である愛らしい犬が彫られています。

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↑すべて手作業で製作される宝来(切り絵)

平成三十年は戌年。そこで、今回は高野山と犬の関係についてお話します。

 

1.高野山ではペット禁止...でも犬は例外

江戸時代後期に編纂された『紀伊国名所図会』には、高野山の地名や、当時の僧侶の生活が詳細に記されています。それによると、高野山での僧侶の生活には様々な禁制があり、たとえば管弦(音楽)の禁止、囲碁や双六(すごろく)の禁止などが定められていました。そのなかに、「諸ノ禽獣を畜フコトヲ禁ズ」という禁制があります。これは様々な鳥獣を飼育することを禁じるもので、猫や鶏などは結界の中、つまり高野山に入ることすら禁じられていました。
しかし特例として、犬だけは飼育することが認められていました。紀伊国名所図会』には犬を飼育する特例について別項目が設けられ、その理由が記されています。

 

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2.弘法大師高野山へ導いたのは犬!
それによれば、高野山では様々な禽獣を飼うことを禁止しているが、犬を愛し飼うことには深い因縁がある。大昔、白黒二匹の犬が高野山鎮守(丹生・高野両明神)に寄附され、明神の使いとして弘法大師高野山に導いたことは世間に広く知れ渡っている。また大師請来の戒律にも〈防守のために犬を飼う〉と記されている。また、織田信長高野山を攻めた時、白黒二匹の犬が織田軍の陣中に突入してから高野山の僧侶達の士気が大いに上がり、ついには本能寺の変が起きて高野山は無事に難を乗り切った」とあり、高野山の開創、そして信長の高野攻めに際して、明神の使いである犬が深く関わっていたことがわかります。

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かつては壇上伽藍に神犬が飼われており、塔頭寺院の多くでも犬を飼育していたといいます。しかし、犬であっても、メスだけは山内に入ることを禁じられていました。
それだけ女人禁制が厳しかったんですね...笑

 

高野山における犬との関係は、現在のペットと飼い主のそれとは違い、明神の使いとしての信仰と、高野山を支えてくれた事への感謝の想いが付加されているのです!

 

おわり!ナム!

不悪口院くるとん