Sangha‐サンガ

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映画「空海KU-KAI」公開直前!肖像画からわかる「空海の誓い」とは・・・

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まず、先に言いたいことは・・・

 

空海のイラストがある「いらすとや」ヤベェ!!!笑

 

本当になんでもあるんですね・・・笑

 

さて、そんなことはおいておいて。笑

 

映画「KU‐KAI」の公開が、いよいよ二日後に迫っています。

ということで・・・

今回のテーマは肖像画からわかる「空海の誓い」です。

映画のことを話したいんですけどまだ見てないし、原作の話はネタバレの危険もあるので公開後にしようと思います。

 

それなら、まずは映画公開前に、そもそもモデルとなった弘法大師空海についての基礎知識を知っていただきたいと思いました。

ブログを始めたこのタイミングでこの映画が公開なんて、僕にとってはこれ以上ない幸運です。笑

 

映画空海の原作もチェック!

 

そもそも、空海とは・・・という話なんですが、

概要はwikipediaにおまかせ!

空海(くうかい宝亀5年(774年) - 承和2年3月21日835年4月22日))は、平安時代初期の弘法大師(こうぼうだいし)の諡号921年醍醐天皇による)で知られる真言宗の開祖である。俗名幼名)は佐伯 眞魚(さえき の まお)。日本天台宗の開祖最澄伝教大師)と共に、日本仏教の大勢が、今日称される奈良仏教から平安仏教へと、転換していく流れの劈頭に位置し、中国より真言密教をもたらした。能書家としても知られ、嵯峨天皇橘逸勢と共に三筆のひとりに数えられている。

 

映画なんかでも「日本史上最大の天才」なんて言われ方をしますが、過言ではないと思います。

 

空海が日本にもたらしたものや日本で初めて行った偉業は数多く、密教伝来はもちろんのこと、本場の書法(書道技術と知識)や土木治水の技術など歴史的に実証されているものから。うどんやお灸、備長炭など、「とりあえず空海がしたことにしとけ」的なものまでさまざま。

それだけ、空海の存在は日本にとって稀有な存在で、センセーショナルだったんでしょう。日本の僧侶の中でも、他の追随を許さないほどの知名度を持ち、圧倒的な伝承の数を誇っています。

 

ちなみに、僕みたいな真言坊主は「空海」と呼び捨てにすることはなく「お大師さん」と親しみを込めて呼びますが、このブログでは客観性と信仰を折衷して「弘法大師」と呼ぶことにしています。

 

さて、その弘法大師を描いた肖像画で、当時から残っているものが高野山に二つあります。一つは、壇上伽藍の御影堂。そしてもう一つは、高野山の某寺院にあると言われています。

弘法大師の弟子である真如法親王弘法大師の姿を描き、最後に弘法大師本人が目に点睛(黒目を入れる)したといいます。

 

さて、その肖像画、いらすとや のものもいいですが、改めて本物を見てみましょう。

 

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空海肖像画のことを、「御影(みえ)」といいます。

面影という意味での影です。

ただの肖像画にみえるこの御影。

しかし、この絵一枚に弘法大師が持つ、大いなる誓いが表されているのです!

 

左手に持つ数珠が持つ意味

これに関しては、過去記事の「数珠(じゅず)ってなにに使うの?お坊さん必須アイテム・数珠のQ&A!」で少し触れています。

数珠(じゅず)ってなにに使うの?お坊さん必須アイテム・数珠のQ&A! - Sangha‐サンガ

「片方一辺は衆生界、もう片方は仏界をあらわします。ちなみに弘法大師の御影は、片側だけをくるっと巻いて握っています。これは、仏界は救う必要がないので、衆生界のほうだけを救うためにこれを握っているんです。

ということですな。↑

 

右手に持つ五鈷杵の意味

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↑金剛杵

さて、ここからが今日の本題です。

弘法大師が右手に持つ五鈷杵が、どういった意味を持つのか。これを解説していきます。

そもそも五鈷杵とは・・・?

Hey,Wiki!

 

>金剛杵(こんごうしょ、वज्र vajraヴァジュラ、ヴァジラ)は、日本仏教の一部宗派(天台宗真言宗禅宗)チベット仏教の全宗派で用いられる法具

仏の教えが煩悩を滅ぼして菩提心悟りを求める心)を表す様を、インド神話上の武器に譬えて法具としたものである。

>日本には奈良時代から平安時代にかけて中国から伝わったと考えられる。真言宗天台宗などにおける密教の儀式や、真言宗天台宗禅宗(曹洞宗黄檗宗)における施餓鬼会などで用いられる。 また、天台宗では仏堂を建立する際に本尊を安置する須弥壇の下に安鎮の結界(安鎮家国法)を作るが、独鈷杵を安鎮の霊器として用いた出土例がある

>基本的な形は棒状で、中央に柄(鬼目部)がある。鬼目は大日如来と観想され、行者大日如来と一体化する行法としてその膨らみを握った

その上下に槍状の刃が付いている。刃の数や形によっていくつかのバリエーションがあり、それぞれ固有の名称をもつ。

とのことです。

もともとはインドの武器だったものが、後に煩悩を打ち砕く法具となったんです。

ちなみに、五鈷杵はこの金剛杵のひとつ。

他にも種類があるので、代表的なものを3つ紹介します。

 

独鈷杵(とっこしょ、どっこしょ)槍状の刃が柄の上下に一つずつ付いたもの。

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三鈷杵(さんこしょ)刃がフォークのように三本に分かれたもの。 

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五鈷杵(ごこしょ)中央の刃の周囲に四本の刃を付けもの。

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このうち、最後の五鈷杵が弘法大師の持っているものです。

↓の写真のほうが、つながっていないのでわかりやすいかも・・・

 

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筆者の実家にある五鈷杵。

この、牙が5本あるのが弘法大師の持つ五鈷杵です。

しかし、なぜ弘法大師がこの五鈷杵をもっているのか?

これを解説します。

 

五鈷杵は「曼荼羅」をあらわす!

そもそも、曼荼羅というのはなんなのか。

この絵を見てください。

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曼荼羅(まんだら、梵語मण्डल maṇḍalaチベット語མཎྜལ(めんでる, maNDal), དཀྱིར་འཁོར་(きんこる, dkyir 'khor))とは、密教の経典にもとづき、主尊を中心に諸仏諸尊の集会(しゅうえ)する楼閣を模式的に示した図像。ほとんどの密教経典は曼荼羅を説き、その思想を曼荼羅の構造によって表すので、その種類は数百にのぼる。古代インドに起源をもち、中央アジア日本中国朝鮮半島東南アジア諸国などへ伝わった。21世紀に至っても、密教の伝統が生きて伝存するチベットネパール、日本などでは盛んに制作されている。

 

曼荼羅についてはまた今度詳しく解説するとして、この曼荼羅の中央(白い四角で囲まれた部分)を見てください!

このなかに、5つの白い〇が描かれていて、一つの〇のなかに5人ずつの仏様が描かれています。

この、白い〇の中心には、それぞれ大日如来・アシュク如来宝生如来阿弥陀如来不空成就如来五仏が描かれています。

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図で見ると、こういう配置です。この〇の中央にいる仏様それぞれに4人ずつ菩薩が取り囲んでいます。

 

さて、もう一度五鈷杵を見てください。

実は、五鈷杵というのは、この曼荼羅の中心部に居ます曼荼羅の五仏を表しているのです!

曼荼羅は、すべての仏を表すもの。その曼荼羅を表現しているということは、この五鈷杵はすべての仏様を象徴しているのです!とても功徳ある、有り難い法具なんです。

そして、弘法大師は手首をひねって

その仏さまの功徳の光を、私たち衆生に向けて照らしてくれているんです!

 

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御影からみえる空海の誓いとは

 弘法大師が残した有名な言葉があります。

虚空尽き 衆生尽き 涅槃尽きなば 我が願いも尽きなん。

 

この宇宙全体の空間が尽きて、そこに生きる生命も尽きて、その真理そのものである仏の住する涅槃が尽きるまでは、私の願いは尽きることはない。

 

という意味です。

 

その弘法大師の願いとは、「すべての人々が迷いから離れ、ことごとく救われること」なんです。

ゆえに、左手で人々を救う意味をもった数珠を持ち、右手に、仏様の功徳を示す五鈷杵をもってそれを僕たちに向けてくれているんです。

 

弘法大師のスケールの大きい救いの精神が、このたった一枚の肖像画に現れているんです。

 

こんな、スケールの大きい優しさを持った空海をイメージしながら映画を見てください。

日本最大のスケールをもつ天才でありながら、慈悲心にあふれた弘法大師空海

1200年前から現代まで、人々の心をつかんで離さないのもうなずけます。

僕が思うに、弘法大師は飄々としながら実直で、柔軟ながら信念がある。様々なことを体験したがゆえに他者を許し認めることができる人だったんではないでしょうか。

原作の 夢枕獏さんも

空海は、全てを許す器の大きさがあったんじゃないかな。」と語っています。

 

そんなことを想像しながら・・・

映画「KU-KAI」、楽しんでください!

僕も楽しみ!!!

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長くなった・・・!

以上!

おわり。ナム!

不悪口院くるとん