Sangha‐サンガ

日常に役立つ仏教を考える僧侶のブログ

hasunoha お坊さんに質問、悩み相談できるQ&Aサイトでの活動。

糸車を回すガンジーのイラスト

そもそも、このブログを立ち上げようと思ったのも、「普段言えないような仏教のお話し」を書きたかったからなんです。

僕は、普段は某寺院の広報をしていまして、広報誌の執筆や、地元広報誌への寄稿など業務の3分の1ほどが文章づくりの毎日です。

 

文章を書くのは好きで、お話も好きなので、いまの職場は転職なのですが、いかんせん「信者のみなさん」向けの文章がメインになってくるんです。

でも、やっぱり理想とするのは「信心のない方に興味を持ってもらう」ということ、

1→100ではなく

0→1 を目指していきたいんです。

 

けれど、今の仏教界はいかんせん若者が発言するのを妙に嫌う性質を持っていて、なかなか表だって発言できないのが現状です。

 

そこで出会ったのが、お坊さんに質問、悩み相談できるQ&Aサイト「hasunoha」。

お坊さんに質問、悩み相談できるQ&Aサイト - hasunoha [ハスノハ]

このサイトは本当に理想的で、仏教の「対機説法」を現代に生かしたサイトなんです。

 

質問する側も回答する側も会員制。回答できるのはもちろんお坊さんのみです。

ここには、信心も、年齢も、経歴も立場も関係ありません。

ありのまま、お互いが質問し回答できるんです。

 

ここでぼくは、「不悪口院 恵成」という名前で活動しています。

恵成とは亡くなった師僧にいただいた仮名(けみょう)、今でいえばペンネームです。

 

ここで私は、学んだことを発露しつつ、すこしでも悩みに応えることができればと思いながら回答を続けています。(自分に余裕がなくて半年ほど放置していた時期もありますが。笑)

なんというか、ほかの匿名掲示板やQ&Aサイトと比べて、温かい空気があります。

僧侶はみな基本的に顔出しですし(僕は最近まで似顔絵でしたが。笑)

質問する方も、礼儀正しい方がほとんどです。

質問者かたのお礼をいただけたときは、ほんとうにうれしいんです。

「自分の学んできたことが、だれかの役に立てた」と。

もちろんそうじゃない、解決できない場合も多いのですが。

 

そのなかで、一つだけ僕の回答を掲載させていただきたいと思います。

 

何故、人間は生きてゆくのか

 

どうして人間は生きてゆかなければいけないんですか?

私は自分が何故、生きているのかわかりません。

24時間365日、自殺することを考えてしまいます。 
頭の中は常に「死」です。

もし人間が生きてゆかなければならない意味が子孫を残すためならば、私は、死ぬべき人間です。

私は恋人はいませんし、結婚も考えていません。 
働いてもいません。

自殺未遂を何度もしており本当に親不孝者です。

世の中には、本当に生きたい人がいると思います。

その方に、全ての臓器を提供したいです。

そう思っていると、人間が何故生きてゆくのかわかりません。

ご回答お願いします。 (20代女性)

 

死ぬ気で生きてみてください。

人が生きる意味なんて、本来ありません。 
あなたは日常で「虫が生きる意味」「植物が生きる意味」なんて考えますか? 
本来、すべての生物に生きる意味なんてありません。人間以外のすべての生き物は「自分が生きる意味」なんて考えていません。 
でも、みなガムシャラに生きています。生きる意味なんてなくても、生まれたからには死ぬ気で生きなければいけません。これは、生物の本能です。 
そして、すべての生き物は、自覚があるかないかは別として必ず周りの環境に影響を与えます。僕たちは動物や植物や虫がいなければ生きてはいけません。でも、そういった動植物や虫は「人間の為に生きている」わけではありませんが、結果的に私たち人類はそういった動植物などに生かされています。命あるものすべてに生きる価値など「本来は」ありません。すべての生物に確実に死があるからです。故に、すべてのものは本来平等なんです。あなたの人生はあなただけのものです。あなたが選択し、決定しなければなりません。 
死ぬのは簡単です。でも、「最終的には死ねばいいか」と思えれば、なんにだってチャレンジできるはずです。生きる意味を外の環境に求めてはいけません。あなたが生きる意味はあなただけしかわかりません。 
子孫を残すことだけが人生の意味ではありません。ならば、イエス最澄空海も生きた意味はなかったことになります。あなたが最後まで生きて、自分の人生に答えを出すことこそ、あなたが生きた軌跡になります。 
生きる意味は他人に提示できるものではなく、あなたが生きた人生そのものが「生きた意味」になるんです。

 

ーーーこの回答は、書いていて胸が熱くなった記憶がありました。「生きていく意味が見いだせない」という方の切実さが、ひしひしと伝わってきたからです。なんとかしなきゃ・・・と思って夢中でキーボードをたたいた結果、ありがたいことに質問者の方からのお礼をいただいた上に、「有り難し(いいね!のようなもの)」を316もいただき、さらには書籍化の際にこの回答を書籍に掲載していただくまでに至りました。それによってなにか劇的な変化があったわけではありませんが、僕の中で「心を込めた言葉は、相手に伝わり、第三者にひろまる」という自信へと変わっていきました。これこそ、現代に求められている布教なのだと思います。さて、もしhasunoha経由でこのブログをご覧の方がいらっしゃれば、どうぞ気軽に質問してください。

・hasunohaで質問しきれなかった

・専門的なことを質問したい

・特定の僧侶に質問したい

などの方がいらっしゃれば、どうかコメントをください。haunohaは1000文字という制限があるので、書ききれないことも多いんです・・・笑今後も、コンスタントにhasunohaで活動していきたいと思います。まだ27歳の若僧ですが、今後ともよろしくお願いいたします。

 

おわり。ナム。不悪口院くるとん